真宗大谷派(東本願寺)
速水山 念慶寺
釈尊が開いた仏教
仏教は、今から2500年前、インド大陸北西部の小さな国の王子として生まれたゴータマ・シッダールタ(後の釈尊)によって開かれた教えです。
その本質は、苦の解体にあります。
釈尊が生きたインドではカースト制度が人の心を呪縛していました。インドではこれを「ヴァルナ(色)」と呼んでいます。生まれによって、民族によって階層を固定する差別制度です。
釈尊が説いた教えは、以下の言葉が示すように「ノン・カースト」として生まれて来たとも言えます。
「人の生まれを問うなかれ。行いを問え。火はどんな薪からでも生ずる。賤しい家柄の者でも、心堅固で恥を知る聖人となれば、それは高貴な人である」
釈尊は、この世の出来事にはすべて原因があり、因果律によって動いていると見定めています。これは、運命や宿命といわれるものに対する一切の否定です。
また、すべての出来事は動いていくということは、確固として安定したもの、不変のものは存在することなく、常に移ろいゆき、崩れていくということです。
この誰も止めることのことのできないこの現実に対して、釈尊が取ったのは、この世のあり様を受け止める私たちの心そのものを変えるということでした。
それは「心の持ちよう」を変えたのではなく、世界をみる私自身を根本的に転換することです。
釈尊が旅立っていく求道者に対して語った以下の言葉は、自分自身の生涯を貫く求道の姿勢でもあったと思います。
「究極の真理へと到達するために精励努力し、心ひるむことなく、行い、怠けることなく、足取り堅固に、体力、智力を身につけて、犀の角の如く、ただ独り歩め」
深き思惟の果てに辿りついたのが、あらゆる執著から離れた静かなる「涅槃」という境地です。
宗 旨
【本尊】
南無阿弥陀仏
【経典】
大無量寿経
無量寿仏観経
無問自説経
【宗祖】
愚禿釈親鸞
【聖典】
顕浄土真実教行証文類
報恩講(御伝鈔拝読)